2013年度 全国アンケート結果の公開

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今年もご協力頂きましてありがとうございました。下記に御協力頂いた施設一覧を掲載しております。


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2013年1月1日-12月31日までの1年間に行われた冠動脈外科手術に関する全国アンケート調査結果の年次報告をする。

今回は全国の442施設に依頼し、330施設という多くの施設から回答をお寄せ頂き、回答率は74.6%であった。前年度より回答施設数はさらに増加し、回答率は前回(71.0%)より著明に上昇した。これはこの全国アンケート調査の意義の理解度と認知度が向上している結果と思われる。

詳細で複雑な内容にも関わらずず多くの施設,先生方にご協力を頂き,この場にて厚く御礼を申し上げる。

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このアンケート調査は、日本冠動脈外科学会の全国アンケート調査委員会において、その内容や調査・集計方法を検討し、それに基づいて行っているものである。1996年の第一回日本冠動脈外科学会からこの調査を行っており、それ以来今回で19年連続19回目の調査である。

これらのデータは日本冠動脈外科の公式ホームページにおいて過去のデータと共に公開しており、どなたでも閲覧、ダウンロード可能であり、我が国の冠動脈外科における基礎的データとして、多くの方々に広く引用されている。

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回答を頂いたアンケートのデータを集計した結果,分析の対象となった冠動脈バイパス術は15,265例,単独冠動脈バイパス術10,815例、合併手術は4,450例であった。今回は単独手術の割合と合併手術率は前回と同様であった。

単独手術のうち初回待機的冠動脈バイパス術は9,187例で,このうちoff-pumpが5,965例,on-pumpが3,222例であった。Off-pumpの施行率は65%で、前回と全く同率で依然として高い施行率であった。

一方、緊急、再手術などの初回待機手術以外のバイパス術は1,628例で、この内半数以上の52%がoff-pumpで行われ、前回(53%)とほぼ同率であった。

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スライドは1996年以降のoff-pump CABGの施行率の年次変化を示したものである.

Off-pumpは最近の約10年間で急激に増加しており、2003年に初めて50%を越えたoff-pumpは2004年に62%とさらに増加した。前回は単独冠動脈バイパス術では初回待機的手術の65%がoff-pumpで行われた。今回の調査でもoff-pumpの施行率は65%と同様の高い施行率であった。最近は10年連続で60%を超えており、わが国ではスタンダードな冠動脈バイパス手術術式として完全に確立している。

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初回待機手術ので術式の内訳を示す。

初回待機手術のうち、on-pump(心停止)は22.6%に行われ、On-pump(心拍動)は11.5%に行われ、これらは前回と同様であった。Off-pump総数5,965例のうち、最後までoff-pumpで行えた(完遂)のは97.7%であり、途中でon-pumpへ移行したのは2.3%であった。これは前回の2.5%と同様であり、移行率を低く抑えるための種々の工夫や管理法が向上していることがうかがえる。

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手術手技別の成績(死亡率)を示す。

単独冠動脈バイパス全体(総数)の死亡率は1.75%で、前回(1.49%)よりやや上昇し、単独初回待機手術の死亡率も1.08%と前回(0.72%)よりもやや上昇したが、比較的良好な成績であった。

このうち、on-pump(心停止)の死亡率は1.34%で、on-pump(心拍動)は1.24%であった。Off-pumpを完遂できた症例の死亡率は0.82%と前回(0.45%)よりも増加し、手術成績はやや悪化した。

また、off-pumpから途中でon-pumpに移行した症例の死亡率は6.7%と前回(2.72%)よりも著明に上昇し、相変わらず悪い成績を示した。

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単独手術総数と初回待機手術の死亡率の年次推移を示す。

両者の死亡率は年々、低下傾向にある。今回の単独手術総数の死亡率は1.75%で、前回の1.49%よりは上昇したが、良好な成績を示した。

また、初回待機手術の死亡率も前回は0.72%であったが、今回は1.08%とやや上昇した。

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初回待機手術全体の病変数による成績を示す。

横軸は病変数別の割合を、縦軸はその死亡率を示す。

初回待機手術全体の死亡率は1.08%と前回(0.72%)よりも上昇し、やや成績が低下した。

3枝病変が全体の46.2%と最多を占め、その死亡率は1.15%であった。LMT+1枝病変が最も死亡率が高く、1.61%であった。

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初回待機手術off-pumpの完遂症例の病変数による成績を示す。

同様に横軸は病変数別の割合を、縦軸はその死亡率を示す。

初回待機手術off-pumpの完遂症例の死亡率は0.82%と前回の0.45%より上昇し、 成績はやや悪化した。

3枝病変が全体の44.2%と最多を占め、その死亡率は0.81%であった。LMT+1枝病変が最も死亡率が高く、1.27%であった。

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初回待機手術on-pump心停止症例の病変数による成績を示す。

同様に横軸は病変数別の割合を、縦軸はその死亡率を示す。

初回待機手術on-pump心停止症例の死亡率は1.34%と前回(0.83%)より上昇した。

これも3枝病変が全体の49.5%と最多を占め、その死亡率は1.30%であった。1枝病変の死亡率が最も高く、2.27%であった。

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初回待機手術のoff からon-pumpへの移行症例の病変数による成績を示す。

同様に横軸は病変数別の割合を、縦軸はその死亡率を示す。

初回待機手術のoff からon-pumpへの移行症例の死亡率は6.67%となり、昨年(2.72%)よりも著明に上昇し、成績は悪化した。

3枝病変を有する症例が52.6%と最も多くを占め、その死亡率も9.86%と最も高かった。

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初回待機手術on-pump心拍動症例の病変数による成績を示す。

同様に横軸は病変数別の割合を、縦軸はその死亡率を示す。

初回待機手術on-pump心拍動症例の死亡率は1.24%で、前回(1.67%)より低下し、良い成績であった。

これも3枝病変が全体の49.5%と最多を占め、その死亡率は1.34%であった。最も成績が悪かったのはLMT+1枝病変で、死亡率は3.45%であった。

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初回待機以外(再手術や緊急手術)の手術全体の病変数による成績を示す。

同様に横軸は病変数別の割合を、縦軸はその死亡率を示す。

初回待機以外の死亡率は5.53%と依然として高かったが、前回の死亡率5.61%よりやや成績は向上した。

これも3枝病変が全体の32.1%と最多を占め、最も死亡率最が高く、7.27%であった。

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初回待機以外(再手術や緊急手術)の手術総数の手術手技による成績を示す。

同様に横軸は手術手技の割合を、縦軸はその死亡率を示す。

このうち、半数以上(52.4%)がoff-pumpで行われ、その死亡率は2.92%と前回の3.40%より低下し、成績は向上した。また、on-pump(心拍動)の死亡率は10.59%と前回の9.45%よりもやや上昇したが、on-pump(心停止)の死亡率は5.73%と前回の6.62%よりも低下し、成績は向上した。

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手術手技別のバイパスグラフト本数の割合を示す。横軸は割合を示す。

4枝以上を4枝として計算した全体の平均バイパス本数は2.97で,前回の2.97と同等であった。

手術手技別に,上からon-pump(心停止)が3.10本、on-pump(心拍動)が3.02本、off-pumpからon-pumpへの移行症例が3..0本であった。一番下がoff-pump(完遂)で2.90本で、前回(2.87本)より若干増加した。4枝以上を吻合する割合はon-pump心停止で最も多く、その割合は41.1% であった。On-pump(心停止)のバイパスグラフト本数が最も多く、off-pump(完遂)のバイパスグラフト本数が最も少ないのは例年通りである。

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今度は逆にバイパスグラフト本数別の手術手技の割合を示す。横軸は割合を示す。

1枝バイパスの73.9%はoff-pumpで行われた。バイパス本数が増加するにつれ、off-pumpで行われる割合が減少し、on-pumpの施行率が増加する。

しかし、4枝以上のバイパスの半数以上(59.4%)はoff-pumpで行われた。これは昨年の58.9%よりも若干割合が増加し、例年通り多枝バイパスでもよりoff-pumpで行う傾向が強くなっている事を示している。

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障害枝別の手術手技の割合を示す。横軸は割合を示す。

1枝病変の74.5%がoff-pumpで行われた。障害本数が増加するにつれ、off-pumpで行われる割合が減少し、on-pumpの施行率が増加する傾向がある。

LMT病変を含む症例も同様の傾向であるが、LMT+3枝病変の半数以上(62.6%)がoff-pumpで行われた。これは昨年の59.9%より増加し、多枝病変でもよりoff-pumpで行われている傾向を示した。

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障害枝別のoff-pump(完遂)とon-pump(心停止)症例の手術成績の比較を示す。縦軸は死亡率を示す。

総数ではoff-pump(完遂)の死亡率は0.82%とon-pump (心停止)の死亡率1.34%より低く、より良好な成績を示した。

障害枝別病変別でのon-pump(心停止)とoff-pump(完遂)の死亡率の比較では、全ての病変でoff-pump(完遂)の方がon-pump (心停止)よりも死亡率が低く、良好な成績を示した。

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障害枝別からみたoff-pumpからon-pumpへの移行率を示す。

全体では前回の2.5%から今回の2.3%と移行率は低下した。

1枝病変の移行率は0.7%と極めて低く、これは昨年と同様であった。障害枝が多くなり、重症化するにつれてon-pumpへの移行率が増加する傾向がある。LMT+3枝病変の移行率は2.6%であったがこれは昨年の3.5%より著明に低かった。これらの結果は移行率を低く抑えるための様々な工夫と管理がなされていることを示唆する。

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グラフト吻合箇所別からみたon-pumpとoff-pumpの比較を示す。横軸は割合を示す。

バイパスを吻合した冠動脈の場所,あるいは吻合の有無により6通りに分類した。上からRCA,LAD,LCXであり,それぞれ上がon-pump(心停止)、下がoff-pumpである。

Off pumpでもon-pumpでもLADへのバイパス吻合は高率であり、on-pump(心停止)で84%、off-pumpで90%の症例でLADへのバイパス吻合が行われ、off-pumpの方が吻合率が高かった。これに対して,RCA,LCXへのバイパス吻合はon-pump(心停止)の手術の方がoff-pumpより高率に行われていた。

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吻合部位の有無からみたoff-pumpとon-pumpへの移行率の関係を示す。横軸は症例の割合である。

上の3段がそれぞれの冠動脈にバイパスを吻合した症例で、下の3段がそれぞれにバイパスを吻合しなかった症例で,どの程度の割合でoff-pumpから移行したかを表している。

LADにバイパスを吻合しなかった症例の3.8%がoff-pumpを完遂できず、on-pumpへ移行し、これは他に比べ高い確率であった。すなわち、LADへの吻合が出来なかった(あるいは、しなかった)症例がoffからon-pumpへ移行する確率が高いことを示している。

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次に初回待機手術における年齢分布を男女別に示す。

全体の79.0%が男性で、女性は21.0%であった。男女比はこのところ常にほぼ一定である。

男性のピークは前回と同様に70歳代で、女性のピークも70歳代であり,この数年は年齢分布に変化はない.

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初回待機手術における高齢者の割合の年次推移を示す。

70歳以上は2000年では39.3%であったが、年々増加し、今回は52.8.%と前回(50.4%)よりさらに増加し、調査以来最高の割合であった。また、80歳以上の割合は今回12.3%と前回(10.9%)より増加し、これも過去最高の割合であった。 年々、高齢者の割合は増加している。

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各年齢層における死亡率の年次推移を示す。

以前は高齢者ほど死亡率が高かったが、年々高齢者の死亡率が低下する傾向にある。今回は70歳台の死亡率が1.13%、80歳以上の死亡率は2.12%と前回に比し上昇し、成績は悪化した。

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単独バイパス手術におけるグラフトの選択を示す。

バイパスの延べ本数は28,526本であり、動脈グラフトの内、左内胸動脈が最も頻用されて、36.1%と前回の35.9%と同様で、他の動脈グラフトより多く使用されていた。

動脈グラフトでは、次に右内胸動脈、橈骨動脈、胃大網動脈の順であった。動脈グラフト総数の割合は58.0%であり、これは前回と同様で、高い動脈グラフト使用率を示した。

一方、静脈グラフトは42%に使用され、前回の使用率41.8%よりもやや上昇した。近年、静脈グラフトが使用される割合が増加する傾向にある。

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単独バイパス手術におけるグラフト選択の年次推移を示す。

動脈グラフトは依然高い使用率であるが、その使用率は年々、若干低下傾向にある。

一方、静脈グラフトは2005年は使用率29.8%であったが年々増加傾向を示し、今回は42%に使用された。近年、静脈グラフトが使用される割合が増加している。

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全単独冠動脈バイパス手術におけるstroke(脳血管に関する有害事象)の手術手技別の発生率示す。

Strokeは72時間以上継続する中枢神経系由来の神経学的欠損で、非可逆的脳障害あるいは永続的な身体的障害を伴うものと定義した。

全単独バイパス症例10815例中、strokeを起こした症例は111例で、全体の発生率は1.02%であった。これは前回の発生率1.05%とほぼ同様であった。

手技手技別の発生率はoff-pump:0.75%(50例/6650例)、on-pump (心拍動):1.55%(23/1477)、on-pump(心停止):1.34%(34/2519)、offからon-pumpへの移行:2.36%(4/169)であった。

4群間での検定をKruskal-Wallis testを用いて、多重比較はTukey法を用いて検定を行った。その結果、off-pump(完遂)群とon-pump(心拍動)群の間 (p=0.0097)、off-pump(完遂)群とon-pump (心停止)群の間 (p=0.0315)にそれぞれ有意差が認められた。他は統計学的に有意差は認められなかった。

以上の結果から、on-pump(心拍動)とon-pump (心停止)は脳血管の有害事象を起こす危険因子であり、off-pump(完遂)はそれらに対して有意に脳血管の有害事象を回避することが示された。

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PCI後の冠動脈閉塞や狭窄、出血などの合併症に対する緊急冠動脈バイパス術の成績を示す。

PCI後の合併症に対して24時間以内に緊急手術を行った症例は80例であった。発生率は全単独CABG症例(10815例)に対して0.7%であった。

この内、死亡例は11例で、死亡率は13.8%と前回の死亡率13.9%と同等で、依然として極めて高かった。手術手技別の成績では4枝バイパス術を除いてどの手技でも死亡率は高かった。

PCI後の合併症に対する緊急手術は依然として予後不良である。

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ここからは急性期心筋梗塞合併症に対する手術成績を述べる.

心室中隔穿孔の手術成績の年次推移を示す。横軸は年次、縦軸は死亡率である。

心室中隔穿孔の手術成績は、最近15年間はほぼ横ばいの状態である。今回の手術死亡率は24.1%であったが、これは前回の18.5%より上昇し、手術成績は悪化した。

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心室中隔穿孔の手術成績の内訳を示す。横軸は症例数を示す。

心室中隔穿孔の手術は昨年178例に行われ、死亡率は24.1%であり、前回の18.5%より上昇し、成績は悪化した。

このうちバイパス術を同時に行った症例は69例(39%)で、その死亡率は28.9%で、行わなかった109例(61%)の死亡率は21.1%であった。

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梗塞部位と手術手技別にみた心室中隔穿孔の手術成績を示す。横軸は症例数を示す。

前壁梗塞に伴う症例は合計126例に行われ、全体の死亡率は21.4%であり、前回の13.7%より上昇した。このうちDagett法は34例(27%)に行われ、その死亡率は20.5%であり、Komeda法は84例(67%)に行われ、その死亡率は22.6%であった。

後下壁梗塞に伴う症例は合計52例に行われ、全体の死亡率は30.7%であった。前回の死亡率32.0%とほぼ同様であった。そのうちDagett法は22例(42%)に行われ、その死亡率は22.7%であり、Komeda法は26例(50%)に行われ、その死亡率は42.3%であった。

今回も前壁梗塞に比べて、後下壁梗塞に伴う心室中隔穿孔の成績は不良であった。

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左室乳頭筋断裂の手術成績の年次推移を示す。

左室乳頭筋断裂の手術成績は最近では上昇していたが、今回は成績はさらに改善した。しかし、相変わらず高い死亡率を示している。前回の死亡率は20.6.%で、今回は23.1%とやや上昇した。

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左室乳頭筋断裂の手術成績の内訳を示す。横軸は症例数を示す。

左室乳頭筋断裂の手術は39例に行われ、死亡率は23.1%であり、前回の20.6%より上昇し、成績はやや悪化した。

このうちバイパス術を同時に行った症例は16例(42%)で、その死亡率は37.5%で、行わなかった23例(58%)の死亡率は13.0%であった。

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心破裂の手術成績の年次推移を示す。

心破裂の手術成績は1980年代、90年代は年々向上してきたが、最近15年はあまり変わっておらず、相変わらず高い死亡率である。今回の手術死亡は31.1%と前回の25.3%より上昇し、手術成績はやや悪化した。

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心破裂の手術成績の内訳を示す。横軸は症例数を示す。

前々回から心破裂は発生機序に分けて分類し、その成績を調査した。

心破裂の手術は135例に行われ、その死亡率は31.1%と前回の25.3%より低下した。

このうちblowout typeの総数は45例(33%)で、死亡率は66.6%と依然高かった。バイパスを同時に行った症例の死亡率は62.5%、行わなかった症例の死亡率は67.6%であった。一方、oozing typeの総数は90例(67%)で、死亡率は13.3%で、blowout typeより著明に良好な成績を示した。バイパス術を同時に行った症例の死亡率は14.3%、行わなかった症例の死亡率は13.2%であった。

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ここからは慢性期の心筋梗塞合併症に対する手術成績を述べる.

左室瘤全体の手術成績の年次推移を示す。横軸は年次、縦軸は死亡率を示す。

左室瘤総数(同時に虚血性僧帽弁閉鎖不全症の手術を行ったものを含む)の手術成績は最近は安定した成績である。しかし、今回の手術死亡率は4.26%で、前回の3.89%よりやや上昇した。

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左室瘤・虚血性心筋症に対する左室形成術(左室瘤切除を含)のみを行った症例の手術成績を示す。横軸は症例数を示す。

左室形成術のみの手術は昨年168例に行われ、死亡率は2.38%で、前回の2.59%より若干低下した。

このうちバイパス術を同時に行った症例は127例(76%)で、その死亡率は1.57%で、行わなかった症例は41例(24%)で死亡率は4.88%であった。

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虚血性僧帽弁閉鎖不全に対する手術成績を示す。横軸は症例数を示す。

虚血性僧帽弁閉鎖不全に対する手術は今回467例に行われ、前回(471例)よりやや減少した。その死亡率は4.92%であり、前回(4.24%)よりやや上昇した。

僧帽弁形成術を行った症例は367例(79%)で、その死亡率は4.63%であった。このうちバイパスを同時に行った症例は316例(86%)で、その死亡率は4.75%で、行わなかった症例51例(14%)の死亡率は3.92%であった。

僧帽弁置換術を行った症例は100例(21%)で、その死亡率は6.0%であった。このうちバイパスを同時に行った症例は79例(79%)で、その死亡率は6.33%で、行わなかった症例21例(21%)の死亡率は5.0%であった。

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左室瘤・虚血性心筋症と虚血性僧帽弁閉鎖不全を合併した症例に対する手術成績を示す。横軸は症例数を示す。

左室瘤・虚血性心筋症と虚血性僧帽弁閉鎖不全に対する手術は今回114例に行われ、その死亡率は7.02%であり、前回の死亡率6.08%とほぼ同様であった。

左室形成術と僧帽弁形成術を同時に行った症例は102例(89%)で、その死亡率は5.88%であった。このうちバイパスを同時に行った症例は82例(80%)で、その死亡率は6.1%で、行わなかった症例20例(20%)の死亡率は5.0%であった。

左室形成術と僧帽弁置換術を同時に行った症例は12例(11%)で、その死亡率は16.7%であった。このうちバイパスを同時に行った症例は9例(75%)で、その死亡率は22.2%で、行わなかった症例3例(25%)の死亡率は0%であった。

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本年もご協力いただきましてありがとうございました。締切を過ぎてから送付されてきた施設のものはこの一覧に載っていないかもしれません。ご連絡いただければすぐに載せます。

連絡先:駿河台日大病院心臓血管外科 折目由紀彦
03-3293-1711(代)
orime.yukihiko@nihon-u.ac.jp


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